シリーズ:ソフトバンク・孫正義の被災者支援と自然エネルギー発電事業を監視せよ3 - ハシゴを外された自治体の呆れと怒り  このエントリーをはてなブックマークに追加

ソフトバンクと孫正義は監視すべき対象。
この記事を読んで、みんなで監視していきましょう。

シリーズ第3弾では、再生可能エネルギー発電事業を始めるソフトバンクと、それに振り回されて呆れ憤る自治体との関係について書こうと思います。

孫正義・ソフトバンクの自然エネルギー発電の嘘。全量買取は補助金で、俺達が払う。」「孫正義の「再生可能エネルギーは10年後にたった月200円の値上げ」はとんでもない大ウソ!」「
ソフトバンク、再生可能エネルギー法案修正可決で全力逃走中!
」の3つの記事に先に目を通しておく事をお勧めします。


シリーズ過去ログはこちら。

シリーズ1 - 被災者支援なんて真っ赤な嘘だ!
http://nosoftbankno.blog84.fc2.com/blog-entry-141.html

シリーズ2 - 孫正義の寄付行為の裏を見ろ!
http://nosoftbankno.blog84.fc2.com/blog-entry-142.html
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孫正義は福島第一原発事故後、自然エネルギー普及を掲げ、5月にはソフトバンクとして事業参入を表明。
20メガワット級の発電所を全国に約10カ所建設する「メガソーラー構想」では、各自治体から借り受けた休耕田などに発電設備を設置、関連費用は原則同社が負担するとしていました。
これに全国の首長が殺到。7月発足の「自然エネルギー協議会」初総会までに35の道府県が参加。
会長は岡山県知事、副会長は神奈川県知事。
ソフトバンクは協議会運営メンバーという形ではありません。一応は。

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ソフトバンクがメガソーラーに尻込み、自治体から上がる不満の声(1)
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/d39ca7dcc32e9281b6ad95e5aa185409/

「当初は非常に虫のいい話だったが、最近あまり虫のいい話は聞こえてこない」(上田清司・埼玉県知事)。ソフトバンク・孫正義社長肝いりの再生可能(自然)エネルギー発電事業に早くも黄信号が灯っている。

 孫社長は福島第一原発事故後、自然エネルギー普及に邁進。5月にはソフトバンクとして事業参入を表明した。20メガワット級の発電所を全国に約10カ所建設する「メガソーラー構想」では、各自治体から借り受けた休耕田などに発電設備を設置、関連費用は原則同社が負担するとしていた。

 これに全国の首長が殺到。7月発足の「自然エネルギー協議会」初総会までに35に上る道府県が参加した(写真は5月の協議会設立発表会見)。

 中でも埼玉県は、上田知事がメガソーラー設置を選挙公約に掲げるほどの熱の入れようだったが、実際にはソフトバンクとの交渉は進んでいない。当初、80億円とされる費用のうち、79億円は同社が負担するとしていたのが、ここへ来て県に合弁会社設立を求めるなど、多くの点で折り合いがつかずにいるという。

 環境部温暖対策課の担当者は「ソフトバンクからは候補地選定を要求されているが、費用をどの程度負担してくれるかわからず、動きようがない」と憤る。

 一方、ソフトバンクは「各自治体には6月、個々の事例によって出資金額は異なると説明した。上田知事の真意がわからない」(藤井宏明・社長室自然エネルギー推進グループマネージャー)と一蹴。すでに全国150カ所以上の候補地があり、事業は順調に進んでいると説明する。




まずこんな記事から。
埼玉県の上田知事が10/18や11/7の定例記者会見にて失望の色を露わにした事を受けての記事です。
5月の自然エネルギー協議会発足から、協議会が全国知事が中心となりソフトバンクは裏方という形であるにもかかわらず、「参加すればメガソーラーが誘致出来る」という事で35道府県が参加。
また政令都市でまとめた自然エネルギー協議会は17の政令都市が参加しました。

これだけの参加があったのには理由があります。
埼玉県の場合を例に取りますと、「総工費80億と見積もり、その内79億をソフトバンクが負担する。県は1億円と土地の無償提供を」というような条件をソフトバンクが提示したからです。


孫氏「脱原発」の同床異夢:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110721/221597/

「まるでバスに乗り遅れるな、と言わんばかりの駆け込みようだった」。ある地方自治体の首長が冷ややかに語る。批判の矛先が向けられたのは、7月13日に発足した「自然エネルギー協議会」に参加を表明した一部の県。「ソフトバンクの企業誘致しか頭にない」と、この首長は呆れ返っている。

(略)

協議会の建前は、自治体が互いに連携しながら、自主的に自然エネルギーの普及・推進活動を進めるというものだ。あくまでも主役は自治体であり、ソフトバンクはそれを支える黒子役、というのが触れ込みだった。

ところが、現実は建前とは大きく乖離し、「ソフトバンクが主体的に推進する電力事業と、その誘致に力を入れる地方自治体」という構図が公然の事実となりつつある。設立発表時19だった参加自治体は、最終的には35の道府県に膨れ上がったが、中には、冒頭の首長が指摘するような自治体も少なくないという。


都道府県側に有利な形であるプラン。これに35都道府県・17政令都市が群がったという構図です。

しかし、時間が経つにつれそんな話は最初から無かったかのようにソフトバンクが振るまい始めます。
発足から5ヶ月が経った10月には「県に合弁会社設立を求める」など条件がまるで違うものに変わったのです。


架空新聞社:ソフトバンク・孫正義社長発案のメガソーラー 当面白紙か…埼玉
http://blog.livedoor.jp/hurriphoon2010/archives/5155108.html

(元URL:http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20111019/CK2011101902000040.html

ソフトバンクの孫正義社長の発案で県内にメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設する構想が、当面白紙になる可能性が高まった。構想が明らかになって約五カ月がたったが、孫社長側が県に事業の枠組みすら示していないのが理由だ。上田清司知事は十八日の定例会見で「当初の話はかなり消えかかっている」と指摘した。

上田知事は五月、住宅六千戸分の電力を賄える二十メガワット規模のメガソーラー建設を打診されたことを明らかにしていた。県によると、孫社長側は当初、建設費を約八十億円と試算し、県に約一億円の負担と五十ヘクタールほどの建設地提供を求めた。県は候補地の選定作業に入ったが、孫社長側は現在も事業の枠組みを示していない。このため県負担の一億円を補助金としてソフトバンクなどに出すのか、共同事業者として出資するのかもはっきりしていないという。

上田知事はこれまでに「出資となると、事業が失敗したときに出資分に応じた責任が生じてくる」と難色を示しており、この日の会見では「(孫社長側が)構想を練り直し、きちっとした話が出たら考える」と述べた。


当初の条件であれば1億円は補助金として出す事が可能ですが、合弁会社設立となるとそれが「出資」に変わります。

出資となってしまうと、事業が失敗したときに出資分に応じた責任が生じます。
過去ほとんどが失敗に終わり負の遺産を大量に残している第三セクターによる事業がいい例でしょう。
それでは参加するのは難しい、と埼玉県の上田知事は会見で述べています。
また、事業の枠組みが示されていないのに参加するのはもはや分の悪いギャンブルでしょう。
それでは知事として県としての責任を負えません。

またソフトバンクの藤井宏明(ソフトバンクプレイヤーズとエデュアスという2つのグループ会社の社長、孫正義財団の代表理事)は「各自治体には6月、個々の事例によって出資金額は異なると説明した。上田知事の真意がわからない」と言っていますが、埼玉県に「79億円出資する」と打診があったのは5月です。
真意も何もあったものではありません。先に具体的に出資比率を提示したのはソフトバンクです
相手にすべての責任があるような、まるで詐欺師のような論調です。

上田知事は記者から「孫さんが言っていたことが違ったのか」と問われましたが、落胆の表情を浮かべながら「はい」と小さくうなずいたそうです。
これが全てでしょう。


そして、最初に提示した「大風呂敷」とまるで違う事に怒り困っているのは埼玉県だけではありません。
最初の記事の続きです。

だが、不満を募らせているのは埼玉県だけではない。9月には、北海道帯広市の太陽光発電の実験施設の規模が計画の約10分の1に縮小。関係者は「ソフトバンクから理由の説明はまったくなかった。民間企業のやることだから仕方がない」と打ち明ける。

 知事が自然エネルギー協議会の会長を務める岡山県も「ソフトバンクからは一度も事業計画は出ていない。ソフトバンクとは関係なくメガソーラー化を進める」(岡山県・企業立地推進課)と話す。


帯広市の件は以下でも報じられています。


ソフトバンク メガソーラー規模大幅縮小か|WEB TOKACHI-十勝毎日新聞
http://www.tokachi.co.jp/news/201109/20110908-0010311.php

ソフトバンク(本社東京)が帯広競馬場内で計画しているメガソーラー(大規模太陽光発電施設)について、規模縮小が浮上している。発電規模は当初想定(1メガワット=1000キロワット)の10分の1に当たる20~100キロワット、面積も約2ヘクタールから0.132ヘクタール(400坪)となる見通し。
関係者によると、帯広市が8月、競馬場を所有する十勝農協連に対し設置面積が1.1ヘクタールになる可能性があると説明。9月に入ってから、さらに面積を狭める話があった。


こうやって帯広市自身が言っているにもかかわらず、孫正義は「予定通り」と言い放っています。

また、知事が自然エネルギー協議会の会長である岡山県も「事業計画が出ていないので独自で進める」と三行半を突きつけています。
これでは自然エネルギー協議会の意味が全くありません・・・いや、都道府県が運営するという、発足した当初の形に収まったと言うべきでしょうか。
ただしソフトバンクはそこにはいませんが。


さらに、こういった事態を見越していた都道府県や政令都市もあります。

太陽光発電見えぬ道筋 孫社長呼びかけ自然エネ協議会 12都県参加見送り+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110723/trd11072322310020-n1.htm

福島第1原発事故を契機に自然エネルギーへの転換を求める声が上がる一方、性急な転換を危惧する声も強まっている。ソフトバンクの孫正義社長の呼びかけで、35の道府県が参加する「自然エネルギー協議会」の設立総会が13日に開かれた。孫社長は「大変な熱意」と全国の約4分の3の自治体が集まった状況を評価する。ただ、参加を見送った自治体からは「課題や不明な点が多い」と慎重な意見も相次いでいる。

(略)

5月に賛同自治体として名を連ねた福井県は、7月にソフトバンクに参加見送りを伝えた。事業内容で不明な点が残るのが理由といい、内容を尋ねる確認文書に回答がなかったため参加を見送った自治体も多い。

さらに、「エネルギー問題は国が責任を持って方向性を示すべき」(石川県)とする声もあり、宮城県の村井嘉浩知事は「公の役所がかかわるなら。一民間企業の利益のためにというわけにはなかなかいかない」と自治体と企業の関わりも指摘している。

「ソーラーが一体どれだけの時間と金でできるか分かったものじゃない。東京みたいな大きな経済産業地の経済が十分にまかなえるなら結構。とてもそんな風にはいかない。頭冷やして考えてくれ」

石原知事は協議会の設立総会から2日後の定例会見で、過熱する自然エネルギー政策への転換に自重を促すように、くぎを刺した。



千葉市長・熊谷氏、なぜソフトバンクの自然エネルギー協議会に参加しなかったのかを語る #千葉 - Togetter
http://togetter.com/li/167281

熊谷市長のツイートより

@kimi_hama_yh 自然エネルギーを推進することには私も大賛成ですが、一企業であるソフトバンクが仕切る協議会に公的機関が参加するのは好ましいことではありません。自然エネルギーの推進はその協議会に参加せずとも推進できます

@kazmo12000 財団であれば私も反対ではありませんが、残念ながらソフトバンクが事務局です。株主利益を最大化する責務がある株式会社が絡む以上慈善事業にはなりません。なお、ソフトバンクが営利事業として自然エネルギーを推進すること自体は大いに結構だと思います

@kazmo12000 事業として行うのは当然です。大事なことは、既に自然エネルギーに取り組んでいる企業はたくさんあり、これから参入する企業も予想される中で、公的機関が一企業が事務局を務める協議会に参加し、お墨付きを与えるのは好ましくないということです

ソフトバンクという一株式会社が主導するエネルギー協議会とやらに参加していないだけで自然エネルギーに対して消極的だと捉えられるのは予想はしていましたが不思議なものです。ソフトバンクと違い既に実績のある事業者やシンクタンクが一社も入っていないことも残念です


35の道府県と17の政令都市が参加したという事は、12の都道県と2の政令都市が参加しなかったという事です。
そして、参加しなかったその理由や懸念、その通りの事態となっています。
つまり、わかりやすく言えば「騙されなかった自治体」という事になりますし、逆に言えば35の道府県と17の政令都市は美味しそうに見える疑似餌に騙されたのだと言えます。


また、孫正義が候補地としてなぜかネタバレした鳥取県の米子市長。
こちらは騙されまいとしている様子がうかがえます。


メガソーラーで観光産業誘致 雇用は数人程度 - NetNihonkai-日本海新聞
http://www.nnn.co.jp/news/111206/20111206004.html

ソフトバンクが自治体と連携して進めるメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設候補地に崎津地区(鳥取県米子市)が入ったことについて、野坂康夫市長は5日の市議会本会議で「全国的に注目が集まる」と期待を込め、観光産業などの誘致に生かす意向を示した。

経済活性化につながることが期待される半面、市側はメガソーラーだけの新規雇用を「数人程度」と見込み、野坂市長は「多数の雇用は期待できない」との見方を示した。

一方、野坂市長は「用地の無償貸し付けを前提にはしていない」と説明し、土地を貸し付ける方向で協議する方針をあらためて強調。ソフトバンク側が貸付価格の減額を求めてきた場合の対応として、角博明副市長は市議会と相談して判断する考えを述べた。


既に、ソフトバンクが土地の無償貸し付けや貸し付け価格の減額を要求してくると読んでいます。
せっかく「鳥取県の崎津地区が候補地」とネタバレしたにも拘わらず、先に自治体の方がハシゴを外しに掛かっています。
もうここまでされている時点で何も信用されていないという事。終わりです。


また「騙された」自治体ではこんな例もあります。


「忘れて」太陽光200万戸公約、知事が撤回 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111008-OYT1T00001.htm

神奈川県の黒岩祐治知事は7日、知事選以来掲げてきた「4年間で200万戸分の太陽光パネル設置」とする公約について、「あのメッセージは役割を終えた。忘れてほしい」と述べ、撤回した。

 県議会予算委員会終了後、県庁内で記者団の質問に答えた。今後は数値目標にこだわらず、2020年度までに県内の消費電力量に対する再生可能エネルギー発電量を20%以上とする「かながわスマートエネルギー構想」を推進していくという。

 公約について知事は、「200万戸だろうと180万戸だろうと、全部の家にソーラーパネルを付けるんだというメッセージ性を大事にした」と釈明。専門家と協議して練り上げた新構想を、9月12日の県議会本会議で打ち出した段階で、「4年間で200万戸分」の公約を「リセット」したという。知事は今後、新構想について理解を得るため、県民との意見交換会などで説明していくという。

知事は予算委でも、公約を巡って苦しい答弁に追われた。

選挙戦で「200万戸分」と掲げた理由を、「『これからは太陽経済の時代』と訴え、分かりやすいメッセージにするためだった」と説明。やはり知事選以来使ってきた「太陽経済」という言葉については、「太陽によって風が生まれ、雨が降る。風力発電も水力発電も、自然エネルギーすべてが含まれる。日本のエネルギー構造を変えようとの思いを込めた言葉だったと解釈してほしい」と語った。

知事は「旗を振るのが自分の役目」と、かたくなに公約にこだわってきたが、行政の長として厳しい現実に目を向けざるを得なくなった格好だ。昨年度、県内で新設された太陽光パネルは約1万戸分。今年度は8月までの5か月間で既に約8200戸分と、前年度を上回るペースで設置が進んでいるが、新構想の実現のためには、あと3年半で54万戸分以上の設置が必要で、実現に向けた道のりは容易でない。


神奈川県の黒岩知事は自然エネルギー協議会の副会長です。
公約の撤回とは、また大ごとです。
随分と無理な言い訳に終始していますが、素人が見ても無理だと判断出来るレベルとはいえ、選挙から掲げてきた公約をこうもあっさり撤回するとは、有権者に対する酷い裏切りです。
「メッセージ」とすれば何を言ってもいいのでしょうか。
まだ早々に撤回表明しただけマシであり、現実に即したのなら良かったとも言えますが、それにしても笑えない話です。

しかし、5月にはやはり黒岩知事もソフトバンクとの連携を強調。


asahi.com : 太陽光発電でソフトバンクと連携へ 黒岩知事が方針 - マイタウン神奈川
http://mytown.asahi.com/areanews/kanagawa/TKY201105230618.html

神奈川県の黒岩祐治知事は23日、持論である太陽光発電の普及を進めるため、通信大手・ソフトバンクの孫正義社長やほかの自治体と連携する方針を明らかにした。同社は各自治体と共同で全国に大規模な太陽光発電所(メガソーラー)を建設する構想を固めており、神奈川を含む十数人の知事から賛同を得ているという。

 黒岩知事は知事選後、孫氏と会談し、構想ができた。それによると、同社と自治体が共同で各地の50ヘクタールほどの土地に発電能力20メガワット規模の太陽光発電所を建設。建設費は1基数十億円とみられる。発電した電力は、電力会社に全量の買い取りを求める方向で国などと今後調整する。

(略)

この構想の詳細について、黒岩知事は25日に都内で賛同する一部の知事や孫氏とともに披露する予定にしている。黒岩知事は4月の知事選で「県内に4年間で200万戸の太陽光パネルを設置する」という目標を掲げた。今後、同社との協力関係を強め、県内にもメガソーラーを設置する方針だ。


このように言っていたのですね・・・
メガソーラーはどうするつもりなのでしょうか。
メガソーラーにお金を出すぐらいなら、家庭用太陽光パネルの設置に補助金を出す方が良いと思いますが。


そうして、ソフトバンクと孫正義が各自治体を騙して呆れさせた結果がこちら。

太陽光発電どこへ、冷めた孫氏と知事の関係  :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/biz/focus/article/g=96958A9C889DE1E4EBE7E3E2E1E2E2E0E3E0E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2

ソフトバンクの孫正義社長が全国の知事と大規模太陽光発電(メガソーラー)構想を立ち上げて5カ月。一蓮托生(いちれんたくしょう)で突き進むかに見えたが、早くも結束にきしみが見え始めた。推進の後ろ盾だった菅直人首相(当時)の退陣もあり、孫氏の構想に乗った知事たちの熱気は次第に冷めつつある。

「知事の皆様、誠にご苦労さまです。また代理出席の多くの皆様もお忙しいなか、ありがとうございます」。11月21日夕方、東京都内で開かれた「自然エネルギー協議会」の第2回総会。冒頭のあいさつに立った会長の石井正弘・岡山県知事はあえて「代理出席」に言及した。むしろ言及せざるを得なかったというのが実情だろう。

孫氏は7月、35道府県の知事と共同で、自然エネルギー協議会を発足させた。地方自治体から遊休地を借り受け、全国10数カ所にメガソーラー施設を設置する壮大な構想。秋田市内で開いた第1回総会には、神奈川県の黒岩祐治知事ら19人の知事が参加し、盛況を呈した。だが第2回総会に参加した知事はわずか4人。残りはすべて代理出席だ。

会議室中央に備えつけられたスクリーンの前に「事務局長」の名札を置いて着席する孫氏。各道府県の代表がそれを取り囲むように座ったが、副知事や県職員とおぼしき面々が顔をそろえ、第1回総会の時のような熱気は感じられなかった。

実はこの日、多くの知事は上京していた。第2回総会に先立ち、当日の午後には首相官邸で全国知事会議が開かれている。ここには47都道府県のうち、35人の知事が参加。野田佳彦首相や各閣僚との懇談会も開催され、地域主権改革の推進や東日本大震災の復興を巡って活発な意見が交わされていた。

全国知事会議が終わったのは午後5時ごろ。出席した知事たちはそのまま午後5時過ぎから始まる自然エネルギー協議会の総会に参加すると思いきや、「公務」を理由に次々と欠席した。

 メガソーラー設備の設置に適した遊休地を多く抱える北海道の高橋はるみ知事は会場には足を運んだものの、すぐに退席。首相と北方領土問題について話し合うため、官邸にとんぼ返りした。

 一方、東日本大震災の被災地である福島県の佐藤雄平知事や岩手県の達増拓也知事、全国知事会長を務める京都府の山田啓二知事らは午後5時15分から、玄葉光一郎外相が主催する「自治体国際交流活動支援レセプション」に向かった。

 全国知事会議が開かれた首相官邸から車でわずか10分ほどの場所にある外務省飯倉公館。エネルギー協議会とほぼ並行して開かれたこのレセプションには、知事のほか、在日外交団の代表などが多数参加した。

 知事たちは姉妹・友好自治体の交流や地方の国際交流について意見を交わし、各自治体の地元産品などの紹介コーナーや日本酒ブースなどが設けられた会場内を回りながら、つかの間の「自治体外交」を繰り広げた。ちょうどエネルギー協議会が始まったころだ。知事の関心事が太陽光発電から国際交流にすっかり移ったかのような光景だった。

(略)

孫氏は記者会見で「買い取り価格がいくらであろうと、200メガワット以上の設置を必ずやる」と強調する一方、「我々が赤字になれば、他の企業が萎縮する」と指摘。買い取り価格が採算に見合う水準にならなければ、国が推進するメガソーラー構想自体が画餅に帰すと警告する。だが菅氏という後ろ盾がいないなか、孫氏が思い描く買い取り価格は実現しない可能性も否めない。


という事で、第2回の自然エネルギー協議会総会。
同じ日に、総会の直前まで全国知事会があり、そちらには知事が出席していたにもかかわらず、自然エネルギー協議会総会ではほとんどが知事代理が出席。
何と4人しか知事の出席はありませんでした。

これがソフトバンクの「自然エネルギー事業」の結果です。
ちなみにソフトバンク側の言い訳は「再生可能エネルギーにより発電した電気の全量買取価格が決まっていないため」だそうですが、当たり前ですが3月に震災があり、被災者を救済する法案や東電や原発関連の法案の審議の方が数万倍も重要です(消費税増税議論も不要だと思います)。
そもそも菅直人がこの震災関連の法案を差し置いて全量買取に関わる法案を退陣条件に挙げ、それを孫正義が「粘って、粘って、何が何でも通してほしい!」などと言った事がおかしい。
寄付だの慈善事業だの言っていますが、明らかに矛盾しています。

そして、最優先すべき法案が山ほどある中、電気の買取価格がすぐ決まらないのは当然です。
そんな事は最初からわかっていました。

また、ソフトバンクだって当初の予定から大幅にずれ込んだ12月に、帯広での太陽光発電の実験施設をようやく作ったりしてますからね。


太陽光プラント完成|WEB TOKACHI-十勝毎日新聞
http://www.tokachi.co.jp/news/201112/20111215-0011244.php

ソフトバンク(東京、孫正義社長)が帯広競馬場内で建設していた太陽光発電実験プラントが15日、完成した。場内の菜の花畑だった3000平方メートルに太陽光パネル514枚を配置、総発電量は100キロワットとなっている。実験は1年以上継続し、四季別のデータを集積する。実験結果はインターネット上で公開する。


「早くメガソーラー建設に着工したいので、買取価格を決めて」と言っているソフトバンクですが、12月に実験施設を作り、1年以上実験するそうです。
ちなみに実験施設の全体の写真はこちら。

478172034.jpg

この規模で何をどうメガソーラーの実験をするのかわかりませんし、メガソーラーで使用するパネルの選定のための実験のはずなのですが、買取が始まる2012年7月には完成させたいと言っているにもかかわらず12月から1年以上実験するそうです。
矛盾しているにも程があります。
結局、ホームページで公開する事で「やってますよ」というポーズを取りたいだけに過ぎないのだと思います。
1月下旬から公開すると言っていますが2/2現在、公開されていませんけれど。
この記事、孫正義が「私は公約を守ります」と言ったツイートとともにURLが貼られていたのですが・・・
今度は一般人を騙す方向に進んでいると思われます。

※追記
一応コッソリ公開されていたようです。
http://sbenergy.co.jp/

1/31というギリギリに公開していたようです。俺の1/31のツイートでも見ていたのでしょうか。
しかし、残念なことにデータは1/31からしか見られません。
これまでの実験データが見たいのですが・・・

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さて、ソフトバンクと孫正義が各自治体を騙している間に、2011年4月にメガソーラー事業を行うと発表した三井物産は既にメガソーラー建設の場所が決まったようです。

時事ドットコム:三井物産などがメガソーラー=再エネ法成立後、全国初の自治体誘致-山梨
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201111/2011112500670&g=eco

山梨県は25日、三井物産や東京海上アセットマネジメント投信などによる大規模太陽光発電所(メガソーラー)の誘致を決めた。同県が県内の未利用県有地2カ所(計約24ヘクタール)を無償貸与し、出力計11メガワット(1万1000キロワット)相当の発電所を整備する。県によると、太陽光など自然エネルギーで発電した電力の全量買い取りを電力会社に義務付けた再生エネルギー特別措置法の成立後、自治体の民間企業誘致による太陽光発電事業の実施は全国初。


恐らく三井物産の場合は震災前からメガソーラー事業を検討していたものと思われます。
無償で静岡県に土地を提供してもらうよう協議をして、全量買取の価格が決まっていない内に建設を決めたわけですから、ソフトバンクとは大違いです。

また、採算が取れると計算が出来ているわけですから、これでソフトバンクが「買取価格が決まらないと何も出来ない」「買取価格次第で赤字になる」「ウチが赤字になったら他社が萎縮する」など孫正義が繰り返してきた言い訳は一切通用しない事になります。
「買い取り価格がいくらであろうと、200メガワット以上の設置を必ずやる」と孫正義は強調していましたが、それなら既に自治体と協議が終わっていなければならない事になります。
三井物産らより遅い事はあり得ません。
早く着工の準備をするべきです。遅いです。

さらに、三井といえばアウトレットモールを多数運営していますが、今年4月に千葉県の木更津に新しくオープンするそうです。

http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2012/0124/

ここでは施設の屋根部分を使って約600KWの太陽光発電設備を用意。
施設で使用する電気の約半分を賄うそうです。
恐らく、太陽光パネルの設置は震災後に決めたのではないでしょうか。
そして、全量買取法施行前ですから売電目的でない事は明らかです。
こういう動きこそが正しいと思うのですが、いかがでしょうか。
メガソーラーの数百分の一ですが、こういう風に施設にソーラーパネルを設置するのが数百箇所あれば、それだけでメガソーラーが不要になる。

で、ソフトバンクの場合、わざわざ高い金額で強制的に売り付けるためにメガソーラーを作るわけです。
今後、各電力会社が電気代を上げていく事が容易に予想出来る中、さらに電気代を上げようとする。
経済人として、実におかしな行動です。これでは脱原発は出来ません。
メガソーラーは応援出来ませんが、三井自体は応援したいと思います。


まあ、こう言いながらも孫正義が10億円で設立した自然エネルギー財団のメンバーである山地憲治を、全量買取価格決定の委員に送り込んでいるのですけどね。

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また、発電事業には、全量買取法案に買い取り拒否権が明記されている、電力会社との協議も重要です。
北海道電力(北電)とソフトバンクの関係や現状を見るにはこちらの記事が全てでしょうね。

1118tyo_hokkaido.jpg

北海道新聞の11/18朝刊。

・北電がソフトバンクの発電をどれだけ買い取るかが鍵
・北電、風力発電購入量拡大
・メガソーラーの設置面積の規制緩和、敷地面積の50%から75%に拡大

の3つの記事です。

まず、ソフトバンクは苫東地区に最大34万KW(340MW)のメガソーラーを建設する構想(予定ではない)を持っていると発表しています。


苫小牧東部に国内最大のメガソーラー ソフトバンクが方針固める:苫小牧民報社
http://www.tomamin.co.jp/2011t/t11111703.html


が、本当に最大34万KWのメガソーラーを設置したとして、北電がどれだけ買い取るのか。
そもそも北電は原発を止めたとしても電力が逼迫するわけではありません。
そんな中、北海道で発電する意味とは一体何なのでしょうか。
孫正義は「電力不足という国難」とハッキリと発言していますが、それならば東北や関東に設置するはずです。

北電によると、太陽光発電は日が落ちる・日が陰ると大幅に発電量が落ちるため、34万KWという発電量だと供給に影響が出るかもしれないとしています。
また送電施設の容量の問題もあるので、大量に受け入れられないかも知れない、つまり拒否する可能性があるとしています。
これを受けて、ソフトバンクは規模の縮小もあり得るとしています。


これに関しては12月に紅茶野郎・社長室長の元衆議院議員で民主党歴代代表と太いパイプを持つ嶋聡も言及。

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太陽光34万KW、風力150万KWも発電して北海道で使い切れるのか?という質問に対して
「北海道と青森を結ぶ送電線の容量は60万KW分しかなく、増強計画も今後かなりの時間が掛かる。もっと迅速にやらないと本州でさらに深刻になる電力不足に対応出来ない。北海道の枠内で考えがちな北電に意識を変えて貰わないと」だそうです。
北電が意識を変えろとは、一体何様なんでしょうか。

ソフトバンクがこんな意識では絶対に送電線の容量増強は無いでしょう。
早くソフトバンクが意識を変えるべきです。ソフトバンクが工事に出資すれば良いのではないでしょうか。
何せ、電力危機なのですから。

そもそも東北や関東で発電すれば、送電に悩む必要はありません。
一体何がやりたいのでしょうか。

・・・結局、ただ単に儲けたいだけなのでしょう。


また、設置面積の規制が緩和されるという件についてですが、第2回の自然エネルギー協議会の会合の時に孫正義がこの規制に対して苦言を呈していたのですが、その前に設置面積規制の緩和は了承されており、来年からスタートされる見込みだそうです。
情報収集が不足しているのではないでしょうか? 本気で事業をやるようには見えません。

あと、「ウチが言ったから規制緩和が実現したんだ!」なんて事は言わせませんよ。
そもそも経団連のエネルギー政策提言では、このメガソーラーの設置規制の緩和が提言されているんです。
そう、孫正義が「原発推進の提言なんて反対だ」とパフォーマンスを行った、経団連の提言です。

そもそも、設置面積の規制がある理由は「工場は環境を考えて、敷地内を緑化しないといけない」って事なんですが・・・これに文句言うっておかしいんですよ。
だって孫正義は「今は、電力危機、温暖化危機、原発危機では?」とハッキリと発言しているのですから。
広大な土地にわざわざ太陽光パネルを設置するわけですから、緑化は重要なのではないでしょうか?

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さて、以上を見て、まだ「ソフトバンクは再生可能エネルギー発電に本気だ」と思いますか?
未だどの自治体とも連携出来ていない現状で、ちゃんとメガソーラーを設置するのでしょうか・・・
公言通り、買取価格がいくらになろうとも計200MW以上のメガソーラーは是非設置して頂きたいところです。

メガソーラーでは原発をなくす事は不可能ですけれども。
送電線を使う限り、原発を無くす事は出来ない。断言します。
このあたりは次に書こうと思います。

また、紹介した記事中にもありましたが、メガソーラーでは雇用は産まれません。
被災者支援も含め、ソフトバンクは雇用を産まないという点についてはシリーズ6で書く予定です。
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