今、「ふるさと納税で被災地に寄付を」と言うのは問題が多い。  このエントリーをはてなブックマークに追加

熊本地震と名付けられた今回の地震ですが、人命が失われ、建物が壊れ、道路などインフラが寸断されるなど大きな被害が出ています。
これ以上の被害が出ない事を祈るとともに、亡くなられた方へご冥福をお祈りします。


本題に入りたいと思います。
この地震を受けて、被災地支援の動きが見られますが、その中で気になるものがありました。
それが「ふるさと納税で被災地を支援しよう」というものです。
被災地に直接お金を送る事が出来るので良いのではないか、という事で紹介されジワジワと広まってきているのですが・・・被災地の現状を見るに、逆に被災地へ負担を掛ける行為となり得ると思いましたので、少し書きたいと思います。
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まず、この「ふるさと納税で被災地支援」というのが広まったきっかけであろう、SNSで多くシェアされている記事がこちら。

年収500万円で妻と子供2人の場合で40000円!! そうだ。熊本の自治体にふるさと納税しよう | More Access! More Fun!
https://www.landerblue.co.jp/blog/?p=26216


「ふるさと納税なら被災地を直接支援出来るし、大きく控除も受けられて懐も痛まないから勧めます」といった内容の記事となっています。
が、この記事を読んでいて、いくつか引っ掛かる点がありました。

まず、この記事では市町村単位での、特に現在多く報道されている自治体へのふるさと納税を強く勧めています。
要するに、4/14と16にそれぞれ起こった地震で最も震度が大きかった益城町(ましきまち)と南阿蘇村へ、です。

しかし、当然ながら被災したのはこの2つの自治体だけではなく、また熊本県だけでもありません。
東日本大震災の時もそうなのですが、実際に被害が甚大だった福島や宮城、岩手といったところに支援が集中してしまい、同じく震災で被害を受けた東北各県や茨城、長野といった地域に支援が及ばなかった、という事実があります。
この時の教訓が生かされていないのか、と思うと非常に残念です。


次に、この記事ではソフトバンクグループ会社の株式会社さとふるが運営するふるさと納税サイト「さとふる」について紹介しているのですが、「さとふる」では今回の地震を受け南阿蘇村に対するふるさと納税を推し進めるページを制作して公開しています(リンクは張りません)。
こんな画像がトップに用意されていますね。


このページでは、次のように書かれています。

このたびの平成28年熊本地震により被災された皆さまへ心よりお見舞い申し上げます。

ふるさと納税を活用して、「平成28年熊本地震」の被害を受けた南阿蘇村を支援することができます。
下記のリンクからお申し込みいただくと、お申し込みいただいた金額全額が南阿蘇村に寄付され、南阿蘇村から寄附金受領証明書が発行されます。
なお、お礼品はございませんのでご了承ください。

※皆様の善意をそのままにお届けいたします。尚、弊社では一切の収益を頂きません。
※1,000円よりご寄付頂けます。


ふるさと納税に対する返礼品は無く、全額が南阿蘇村に寄付されるという内容ですが、問題は「南阿蘇村から寄附金受領証明書が発行されます」という部分です。
今、大きな被害が出ている上、この1年で役場業務が正常に行える状態になるかどうかも不透明な現在、寄附金受領証明書を発行するという負担を南阿蘇村に掛けるのが良いことなのでしょうか。
宛名の入力や証明書の発行、そしてそれを発送するというのは人的リソースを消費してしまうため、大きな負担になってしまうのではないでしょうか。
私たちは、なるべく被災地へ負担を掛けないようにするべきだと思うのですが。

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※追記
さとふるのページですが、何か色々と付け足されています。雑な仕事してるなと思いますね。
しかも、PC版とスマホ版で文章の有無が違います。赤字がスマホ版では表示されていない部分です。意図的でしょうか?

このたびの平成28年熊本地震により被災された皆さまへ心よりお見舞い申し上げます。

ふるさと納税を活用して、「平成28年熊本地震」の被害を受けた南阿蘇村、菊池市を支援することができます。
下記のリンクからお申し込みいただくと、お申し込みいただいた金額全額が南阿蘇村、菊池市に寄付され、各自治体から寄付金受領証明書が発行されます。
尚、お礼品はございませんのでご了承ください。

※皆様の善意をそのままにお届けいたします。尚、弊社では一切の収益を頂きません。
※1,000円よりご寄付頂けます。
※控除適用条件、上限額等はふるさと納税と同様です。 寄付金額が2,000円以下の場合は、寄付金控除の適用外となります。
※寄付先自治体の状況により、通常時よりも寄付金受領証明書の送付時期が遅くなる可能性があります。あらかじめご了承ください。
※4月19日より、ふるさと納税を活用して熊本県菊池市を支援することができるようになりました。


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ソフトバンクは、東日本大震災の時も被災者にわざとダメージを与えてるのではないかという施策をいくつも行ってきているのですが、今回もそうなのかと思うとゲンナリします。
またこの辺はまとめますけども。

ちなみに、やはりソフトバンクというかヤフーが出資している日本版BuzzFeedでも似たような記事があり、やはり「さとふる」を紹介していたりするのですが、同時に、同じふるさと納税サイトである「ふるさとチョイス」についても取り上げています。
「ふるさとチョイス」では、ふるさと納税で直接被災地に寄付する方法の他に、茨城県境町を受付窓口として寄付を募り、そこから被災地に送付するという方法を用意しています。
この方法ですと寄付金控除証明書は境町が発行することになるので、被災地の負担が無くて済みます。

「被災地に納税したい」それなら、ふるさと納税して「お礼を辞退」でOK
https://www.buzzfeed.com/narumi/tax-for-home#.ch4JMZ1pD


また、4/21の報道ステーションでも「被災した自治体に直接送ると事務手続きなどの負担が掛かる事が考えられる」として、ふるさとチョイスの窓口代行を取り上げていました。
茨城県境町は、去年の豪雨災害の時にふるさと納税を使い寄付を募ったそうです。
ただ、その時の事務手続きの大変さを知った事から、窓口を代行して負担を軽減しようと考えたそうです。

【報ステ】“ふるさと納税”で支援http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000073193.html


ハッキリ言いますが、「さとふる」がやっているのは被災地の事を考えていない、ただの自己満足な迷惑行為です。
思い付きだけでやると、周りに迷惑が掛かるのです。


最後に1つ。
被災地に直接支援しても、それが無意味になる可能性もあります。

日本赤十字社や赤い羽根共同募金などで集められた寄付金は、被災した都道府県で設置される「義援金配分委員会」により自治体への配分が決められます。
これは東日本大震災の時に俺が、日本赤十字社に対するデマを払拭しようと思い書いた記事を参照していただければと思います。

日本赤十字に集まった義援金の配分方法
http://nosoftbankno.blog84.fc2.com/blog-entry-54.html


つまり、益城町や南阿蘇村にふるさと納税による寄付が集中した場合、この義援金の配分が少なくなる可能性があるという事です。
自治体側が「十分寄付を頂いたので、配分を抑えてほしい」と要望する可能性もあります。
こうなると、ふるさと納税で寄付した分があまり意味を成さなくなってしまうかもしれません。


以上が、俺が記事を読んで引っ掛かった点になります。

これらの問題を防ぐためには、ふるさと納税で寄付する場合は市町村ではなく県に対して行うか窓口代行している自治体に行う、もしくは日本赤十字社や中央共同募金会(赤い羽根)といった信頼出来るところに寄附する事です。
もちろん、これは現状を鑑みての話であり、各市町村が正常に役場業務を行える状態になればふるさと納税での寄付もアリだと思っています。
でも、被害の大きさを考えると、なるべく負担にならないようにすべきだと思いますので、俺はふるさと納税での寄付はオススメしませんね。

「やらない善よりやる偽善」なんて言葉がありますが、「思いつきでやるべきではない」事もたくさんあるんだよ、というのも是非知っておいてほしいと思います。(というか、東日本大震災で学ばんかったんかい・・・)
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