孫正義の「再生可能エネルギーは10年後にたった月200円の値上げ」はとんでもない大ウソ!  このエントリーをはてなブックマークに追加

孫正義・ソフトバンクの自然エネルギー発電の嘘。全量買取は補助金で、俺達が払う。」で、この項目が長くなったので分離して別の記事にします。


「自然エネルギー発電を進めると、10年後にたった月200円の値上げ。これ、経産省の試算ですよ?コーヒー1杯分で安全安心が手に入るんです」


孫正義が、テレビや議論の場で嬉しそうに言っているのがこの決めゼリフ。
しかし、これとんでもない大ウソです。
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経産省による「10年後にたった月200円の値上げ」の試算について、「Openブログ」さんより。

◆ 孫正義 v.s. 堀義人 (2)
http://openblog.meblog.biz/article/5286352.html


孫正義が根拠とする経産省の試算資料は以下のPDFにて公開されています。

http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004629/framework03.pdf

これの10ページ目。
「月200円の値上げ」になるのは、太陽光発電以外の実用的な発電方法(風力など)の買取金額が、1kWhあたり20円で買取を20年とした時です。(Openブログさんのは間違い)
この時、1kWh当たりの負担額が0.63円となる試算です。

また、ここに太陽光発電の買取費用も含まれているはずですが、買取価格は「毎年経産省が見直して変動する」としています。
つまり、何円とはこの時点で決まってないようです。また、太陽光発電の買取期間は10年としています。
試算したからにはある一定の平均ラインがあるんでしょうけど、その計算根拠が示されてないんですよね。
また10年とすると、買取価格は見直しするごとに一気に下がっていくと思われます。

そもそも上記の試算は「家庭での発電は余剰買取」の場合なのですが、これを「家庭での発電を全量買取」とした場合でも10年後の総発電量がさほど変わらないという、謎の試算だったりするんです。
そうなる根拠が全然示されてないんですけど・・・
もうね、全く意味がわかりません。


しかし、孫正義はそんな資料を「信頼出来る資料」として提示しています。
さらに1kWhあたり40円で20年固定で買い取れと言っています。
この資料の数字と全く実態が合わないんですが・・・つまり、全く関係のない数字を「経産省の資料」と言っているわけです。
全然関係の無い数字を出して「値上げはたった月200円、これだけですよー」とか言ってるわけです。
そもそも毎年買取額は加算されていくわけで、月200円で済むわけがありません。

これ、詐欺だよね?
そもそも経産省が決める買取価格が妥当かどうかなんて信用出来ないわけですが。


8/5付の毎日新聞のインタビューではさらに意味不明。

孫正義・ソフトバンク社長:発送電の分離が必要 自然エネ普及、原発補助金で
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110806ddm008010116000c.html

 ソフトバンクの孫正義社長は5日の毎日新聞のインタビューに対し、35道府県などと協力して進めるメガソーラー(大規模太陽光発電所)など自然エネルギー事業は、利益配当は受け取らずに社会貢献として取り組むことや、原発推進にかけてきた補助金を自然エネルギーに回せば普及が可能との考えを示した。【聞き手・乾達、山本明彦】

 --大震災後、自然エネルギーの事業化に突き進む理由は。

 ◆日本が笑って暮らせない場所になってはいけないとの思いからだ。「安全で、安価で、安定的」に電力を供給できるという原発神話がすべて崩れており、最小限に減らすべきだ。

 --ソフトバンクのビジネスとして進めるのはなぜですか。

 ◆本業でないし、本業にするつもりもない。自然エネルギー専門の新会社を作り、主要株主として方向性と枠組みは示すが、利益の配当は40年間は受け取らない。利益はすべて自然エネルギー関連に再投資する。

 --孫社長は、再生可能エネルギー固定価格買い取り法案に乗じもうけようとしているとの声も聞きます。

 ◆政治にくっついて商売をする「政商」との批判もあるが、己のために利益を稼ぐ「商売人」になろうと思ったことは一度もない。社会を変え、人々の生活の礎を作る「事業家」として、苦しんでいる人のために一肌脱ぐだけ。一日も早く本業に戻りたい。

 --5月に菅直人首相と会食し、「脱原発」の推進に影響を与えたと言われます。

 ◆私は原発事故以来いろいろな政治家に話したのと同じ話をしただけで、特に何かお願いしたことはない。

 ◇メガソーラー候補地、10カ所以上
 --35道府県などが協力するメガソーラー計画の進捗(しんちょく)は。

 ◆思った以上に候補地が集まっている。メガソーラー10カ所以上、風力と地熱もやる。ただ、送電設備を誰が負担するかルールが不透明で、原発促進の交付金を電力会社の送電線補強に組み替えるなどの支援策が必要だ。

 --海江田万里経済産業相は、料金の上昇を抑えるため再生エネルギーの買い取りコストの転嫁に上限を設ける方針を示しました。

 ◆(転嫁額を)1キロワット時当たり0・5円にすれば(普及率上乗せは)4~5%で打ち止めになる。自然エネルギーを広げるのではなく、頭打ちにするのは本末転倒だ。0・5円は、10年先に1世帯当たりコーヒー1杯分の負担となるに過ぎない。

 --法案についての議論では、ソフトバンクが当初想定していた買い取り価格1キロワット時40円に対し、30円台にするという話が出ています。

 ◆30円台前半なら太陽光発電事業は全滅だろう。欧米で常識のプロジェクト収益率6~8%を確保できなければ、金利もかかる中で誰がリスクを取ってやるかという話になる。買い取り価格が40円を大幅に下回るようなら、ソフトバンク以外の事業者は“笛吹けど踊らず”になる。


 --発送電分離についてはどう考えますか。

 ◆やはり必要。電力会社が送電網を持ち、高い価格で競争事業者に利用させていると競争力が失われる。電力会社は数ある発電事業者の一つとなり、送電会社は全国一本化するのがよいのでは。

 --分離した送電網を買収する考えは。

 ◆中立な送電会社があれば十分だ。本業ではない我々がやらなくても、国家で議論してやればいい。



あまりにツッコミどころが多くて笑えてきます。

「利益の配当は40年間は受け取らない。利益はすべて自然エネルギー関連に再投資」
→再投資は、別に「利益を受け取らない」わけではありません。投資ですから。
  普通に事業の方法として存在します。
  社員の給料は全員0円ですか? 役職報酬は0円ですか?
  あと銀行からお金借りたいだけですよね?

「社会を変え、人々の生活の礎を作る「事業家」として、苦しんでいる人のために一肌脱ぐだけ」
→「事業家」にそんな意味はありません。「風評被害」と同じく辞書で調べろ。

「原発促進の交付金を電力会社の送電線補強に組み替えるなどの支援策」
→それはつまり補助金です。補助金をあてにした事は無いんですよね?

「(転嫁額を)1キロワット時当たり0・5円にすれば(普及率上乗せは)4~5%で打ち止めになる。自然エネルギーを広げるのではなく、頭打ちにするのは本末転倒だ。0・5円は、10年先に1世帯当たりコーヒー1杯分の負担となるに過ぎない」
→「たったコーヒー1杯分(1杯200円というのも意味不明だが)で安全安心な電気が買える」という発言は?
  完全に矛盾してるんですが。
  散々「たった200円の値上げ、たった200円で安全安心」と言ってきたのに・・・とんでもないですね。

  そもそも「太陽光発電以外を1kWhあたり15円で15年買取」とした場合は月150円の値上げ。
  これが、先ほどの資料での試算です。
  今は変わってるのかな? だとすると数年で試算額は膨らんでいるという事に・・・
  何もかも矛盾しているというか、話に芯が通っていません。

「買い取り価格が40円を大幅に下回るようなら、ソフトバンク以外の事業者は“笛吹けど踊らず”になる」
→ソフトバンク以外?
  40円を大幅に下回ったら再投資も出来ませんし、それこそ「ソフトバンクの株主」が許さないでしょ。
  あ、自分が大株主だからいいのか。

・・・と全ツッコミ可能なインタビュー内容にゲンナリです。
なぜ孫正義が朝日新聞のは宣伝したクセに(しかも有料会員の宣伝まで)、ツイートでこの毎日新聞のインタビューを宣伝しなかったのかがうなずけます。
堀氏とのアンフェア議論でもこんな内容は言ってないし。
孫正義の二枚舌ならぬ千枚舌炸裂です。


さらに、産経による記事がこちら。

再生エネ法案 「利益35%吹き飛ぶ」産業界猛反発
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110730/mca1107302332007-n1.htm

経済産業省(というか海江田大臣)は「1キロワット時当たり0.5円を超えないように運用する」と言っています。
これを経産省の試算に照らし合わせると、月150円の値上げですね。
しかもこれ3000万kWh、日本の全発電量の4%になった時の値上げ額、という話。
たった4%で150円ですよ。これが例えば原発の分を30%として、これを置き換えると・・・1125円上がります。
しかも菅総理の「2020年代の早い内に20%」が達成するとなると・・・10年で4%なんておかしいんですよ。

で、産業界の試算では、「2020年代の早い内に20%」を実現させるとなると想定よりも買い取り価格は高くする必要があり、1kWhあたり2円程度の値上げが必要と試算しています。
とすると、4倍の買取金額が必要という事になります。

1kWhあたり0.5円値上げの時、中規模工場で月170,000円、大規模工場で1,632,000円値上げです。
1kWhあたり2円値上げとすると、この4倍・・・どう見ても無理です。
あくまでも試算ですが、再生可能エネルギーを普及させようとすると、これだけの負担がかかるという事です。
そしてこうなると、電気を大量に使う電炉業界は35%の経常利益が吹き飛ぶ事になり、化学業界も苦しくなるとの事。

さらに注目すべきは、ドイツは電力依存度の高い企業を値上げの対象外にしている事。
自然エネルギー法案は、こういった部分には一切触れていません。
もちろん孫正義も一切触れません。不思議ですね。
こんな大事な事を議論しないまま「自然エネルギー法案は、粘りに粘って通して欲しい!」と叫ぶ。おかしくないですか?
このままの形で通せば企業は大ダメージを受け、その分で発電事業者は大儲けできます。
まあこの場合、ソフトバンク自体も値上げによりダメージ受けますが。

さて、こうやって企業にダメージが行くとどうなるか。
簡単ですね。

・電気代の安い国へ工場を移転
・経費削減のために人件費カット・リストラ
・商品の価格に転嫁

こうなる事は簡単に予測が付きます。
さて、値上げは「月200円」で済みますかね?
・・・いや、別に原発使えってお話ではありませんので。俺は反原発派だとここに明記しておきます。
もちろん火力発電への依存が大きくなるほど燃料費の影響が大きくなりますけど、電力依存度の高い企業(大口の利用者)は電力会社が優遇しているようですしね。


あとこの辺りの話は自民党・河野太郎議員がブログにて言及しています。
ツッコミどころも多いのですが、同意する部分も多いです。

再生可能エネルギー固定価格買取制度Q&A
http://www.taro.org/2011/08/post-1064.php

ここでは「大きな企業で電力会社に電気代を安くしてもらってるところがある」と言及しています。
まさかソフトバンクは東電に安くしてもらってませんよね?
また「2020年をメドに法案の廃止を含め検討する」という条文がある事にも言及しています。
無茶苦茶な法案ですね。

彼の発言は他の政治家に比べれば多少信頼出来るかと思うので、興味があれば読むといいかと。
全幅の信頼は置けないけどね?


あと、こちらにドイツの全量買取の価格推移が書かれています。
ソースがないので確かな情報とは言い切れませんが・・・

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1165128581

左から年度、買取価格(セントユーロ/kWh)、低減率です。

2005   54.53
2006   51.80  5%
2007   49.21  5%
2008   46.75  5%
2009   43.01  8%
2010.7  36.12  16%
2011   30.34  16%

1ユーロ120円で計算すると、2005年が60.4円、2011年が33.6円ですかね。
確かにドイツでは一気に二次曲線を描くように普及しましたが、それに準じてこんなにも買取金額を減らさないといけません。
そして、2009年の時点で家庭向けの電気代(1kWhあたり)は日本より高いんですよ。

http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/denkijigyou/seido_kankyou/004_04_00.pdf

あ、ちなみに固定買取制度は「設置した年度によって価格が設定され、決められた年数の間、その価格で買い取る事を保証する制度」です。
既に設置した分に関して、途中で買取価格が変わるという事はありません。
設置した時点で「10年間で48円/kWh買取」となっているのなら、それが10年間続きます。
勘違いして覚えてたので、改めてメモ。

ドイツは産業用の電気代を低く設定しているという側面もありますが(全量買取の負担を含め)、「一時的」(今後約20年間)とはいえ2000年の2.5倍に膨れあがっています。
もちろん、ドイツは家庭での発電も全量買取だったりしますし、日本ほど貧富の差が大きい国でも失業率の高い国でもありませんし、社会保障や税金の仕組みも日本と違うので、単純に比較する事は出来ませんが。

あと、イタリアも高いですねー・・・
原発新設を禁止している国のようです。

http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004629/index02.html

「イタリアは欧州でも電力料金の高い国。稼働している原子力もゼロ。イタリアでは、2020年にヒートポンプも含めた再生可能エネルギーの比率が17%の目標に達すると、電気料金が10%程度上昇するとのことだったので、標準世帯では一ヶ月あたり700円相当の負担増ということになる」
ちなみにヒートポンプは発電ではありませんが、再生可能エネルギーとしてEUでは認められています。
ヒートポンプとは、モーターなどの動力を使って熱を移動させる仕組みの事。
「一ヶ月あたり700円相当の負担増」との事ですが、このヒートポンプがどの程度の割合か次第。

また、イタリアは産業用の電気代も家庭用と同じぐらいの価格。
このあたりをどう見るか、ですが・・・ね。


と、この項目は以上。
いかに孫正義の言っている事が無茶苦茶かは理解していただけるかと思います。

他の孫正義の嘘については「孫正義・ソフトバンクの自然エネルギー発電の嘘。全量買取は補助金で、俺達が払う。」をご参照下さい。
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